乱蘭通信213号・思い出すまま  ↑prev next↓

 2024年は、、、
 昨年の最大の政治イベントは、アメリカの大統領選挙でした。僕の期待に反して、トランプが勝利してしまいました。これから四年間、アメリカは保守化すると言うことですね。アメリカ国民は愚かな選択をしたのではないかと、僕は思います。
 
 民主党は庶民の味方のはずですが、低所得者や若者が離反した結果です。さて彼等は政治的思惑はどうなりますか?共和党もトランプも、元々彼らの味方ではありません。結局は彼等は見捨てられるのではないでしょうかね。トランプの経済政策の基本は、富裕層中心です。低所得者は経済が好転すればそのおこぼれ預かるだけでしょう。
 ハリスの掲げる政策は、移民国として多様性を確保し、女性の権利を保障することです。僕にはアメリカのあるべき姿だと思えたのですが。低所得者にとっては、敷居が高かった。ということですね。民主党には彼らが置かれた格差が見えなかったということです。民主党の支持母体が生活の安定した中間層で、その下の人々への配慮が少なかったと言うことです。
 さてさて2025年はどうなりますか。なんとも予想出来ませんね。
 
 
 ネタニヤフ、ICCから逮捕状
 やっと十一月後半になってICC(国際刑事裁判所)から、ネタニヤフの逮捕状が出ました。五月に特別検察官が逮捕状を請求してから、半年もかかりました。ガザ地区での戦争犯罪の責任、人道に対する責任が逮捕状の直接的容疑です。しかしこの間に、多くの子供達が、イスラエルの爆撃で死にました。もっと早く出ていれば多少は子供たちへの被害は回避できたかもしれません。
 アメリカもイスラエルもこの決定に反発しています。両国ともICCの条約には参加していません。即座にネタニヤフ拘束はありません。124ヶ国のこの条約に参加しています。これらの国にネタニヤフが入国した時、逮捕が実行されることになります。また、これは個人に対する逮捕状で、ネタニヤフが生きている間は有効です。ネタニヤフの国際政治での影響力は大幅に低下されるものと思われます。
 プーチンと同じタイプの政治家で、ネタニヤフは戦争することにより、自分の政権を維持しているのです。人質の解放は二の次なのです。ハマスから入手した文書を改ざんし、停戦交渉を妨害したことが発覚しました。今、大問題になっています。悪質な戦争遂行政治家なのです。ネタニヤフは。
 
 パレスチナ、イスラエル問題は、第二次世界大戦後国際政治の暗部の一つです。イギリス、アメリカの肝入れでイスラエル国家が樹立されましたが、パレスチナ国家は認めようとしてこなかったのです。イスラエルは数々の中東戦争、テロ対策も、民主主義の国、人権を尊重する国ということで、正当化されてきたのです。テロは悪いと決めつけること自体が間違いなのです。テロをせざるを得ない政治的状況を放置したまま、テロ行為だけを責めることはできません。
 今回の逮捕状は、その根本、戦後政治の至らないところに、戦後国際政治の暗部に光を与えることになりました。イスラエルの正義は、虚飾にまみれたものであることを示したのです。そして、今回の逮捕状の発行は、国際政治の中でのイスラエルの立場は、大きな打撃をうけることになりました。
 
 ICCは124の国の参加国がありますが、イスラエルもアメリカも参加していません。昨年その責任者に日本の女性が就任しました。赤根智子さんという方です。プーチンの逮捕状も積極的に主張したということで、ロシア政府から逆逮捕状が出されています。ICCの中でガザ地区を調査し、逮捕状を請求したイギリス人の検察官と、日本人の所長の存在が大きいでしょうね。今回の決定は、恐らく。
 
 1990年代、難民高等弁務官に就任した緒方貞子さんを思い出します。現場主義を徹底して国連の難民政策を根本から変えた人です。今回も大国ロシア、先進国といわれるイスラエルのトップを戦争犯罪人に指定しました。ICCの乗り越えられなかった壁、先進国優遇途上国差別の壁を、乗り越えたのです。日本人女性だから今までの偏見に惑わされなかったのです。
 ICCの逮捕状は途上国の独裁者に出されることが多く、先進国の差別だと批判されて来たのです。今回それに対して、先進国であっても人権侵害あれば逮捕状を発行するという、原則を示したのです。戦後政治の歪みに、一石投じる事になりました。
 
 しかし、これを実行するとなるとなかなか難しいですね。モンゴル政府はこの条約に参加しているにもかかわらず、プーチンの入国認めました。ネタニヤフについても、フランスなどがイスラエルが参加していないことを理由に、逮捕に及び腰です。恐らく、ネタニヤフが逮捕される事はないでしょう。更に彼は彼を逮捕する国には渡航しないでしょうからね。でも、国際的イスラエルの信頼は、大きく打撃を受けたと思われます。
 また、国際人権団体アムスティ・インターナショナルは、12月5日イスラエルのガザ地区攻撃はジェノサイト、民族大虐殺である。非難声明を出した。 
 
 イラン、ヒズボラ攻撃で、アサド政権が崩壊にネタニヤフの功績であり、ICCの逮捕状を非難する論調があります。なかなかややこしい国際政治です。
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11/16 おそばの会 
 米中対立
 経済的な対立だけではありません。政治を含めた総合的な対立なのです。世界の覇権をどの国が握るかという対立ですなのです。
 
 1990初頭の日米対立に非常によく似ています。当時、日本は自動車産業、パソコンなどIT部門でアメリカを凌いでいました。現在の中国のようにアメリカを凌ぐ勢いがあったのです。当時、個人用パソコンのソフトは、アメリカのソフトより日本が先をいっていたのです。そのまま日本の基本ソフトが世界に流通したら、Microsoftもマッキントッシュも生まれなかったかも知れないのです。
 そうなるとアメリカは、経済だけではなく、政治、軍事まだ持ち出し日本に圧力をかけて来たのです。しかし、日本はバブル経済が崩壊し、リクルート事件などで自民党への批判が強まり、寄せ集めの野党の力では、アメリカの政治力には対応出来なかったのです。日本は、政治的潰されたのです。妥協するしか道がなかったのです。
 
 全く同じことが米中間に起こっています。共和党も民主党もアメリカファースト、アメリカが世界のリーダーであるとの自信は崩しません。アメリカに対抗する国は、あらゆる方法を使っても、叩き潰す。ということなのです。民主党政権下でも、中国に対する経済、政治的圧力は拡大する一方で変わりませんでした。中国が「経済はアメリカを追い抜き、政治は世界の覇権を握る。」と習近平が主張したからですね。
 
 米中対立は、経済だけの問題ではありません。かってのソ連のように、政治的覇権の問題なのです。日本の場合は、資本主義国同士で軍事同盟もあるが、経済的にアメリカを凌ぐようになったら、独自の路線を歩むようになるのではないか、一度戦争した国ですので、敵意国家になるのではないかという、アメリカには恐怖もあったのではないでしょうね。
 
え・ちえ 
 ウクライナ戦争、トランプ停戦案
 トランプは、大統領になったら一日でウクライナ戦争停戦を実現する、と豪語してきました。今まで伝えられている停戦案は、現状の占領地を新たな国境にする。ウクライナのNATO加入は認めず、NATO軍がウクライナ領地内で監視する。というのが骨子らしいです。
 
 ただ、一つ大きな疑問を感じる。プーチンを始めたしたロシア保守派は、大国主義で、政治が安定すれば、新たに侵略を開始するのではないか、という疑問です。ジョージア、モルドバなど他の弱小国支配に、軍進めるのではないかと言う疑惑です。それをトランプは知らない。
 トランプ停戦案は現状維持の場当たり的停戦案ではないかと思われます。
 
 現在ロシアは、シリアのアサド政権を失い。国内はインフレが蔓延し、ロシア軍の人員不足、兵器弾薬不足に悩んでいます。同様にウクライナも疲弊していますが、ロシアの大国主義を考えたら、もうしばらく、強固なウクライナ支援を維持し、ロシアの大幅な譲歩を得るのが得策ではないかと思います。
 プーチン政権が崩壊しない限り、ロシアの侵略政策は変わりません。トランプはそれを考慮すべきと、僕は思いますが。
 
富士山に龍神現る FBより借用 
 愚民政策と官僚主義 中国
 巨大な中国は、様々な民族の寄せ集め、それを統治するのに、歴代王朝は官僚主義を発達させて来ました。その主要なイデオロギーが儒教です。そして、支配層は貴族化し、社会の諸権利を独占してきました。一部の貴族と、支配された一般庶民。現在の共産党は、その政治構造を否定することから始まったのですが、もうすっかり歴代王朝の貴族社会と同じになってしまいました。
 
 現在中国は、不動産バブルが弾け、長い低迷の時期に入りました。国民の二倍三倍の住宅を、作ってしまう。これこそが融通の効かない官僚主義の硬直化した巨大組織の負の遺産です。だから、修正が効かないと言っても、その間違いの大きさに驚くばかりです。必要のないものですので、解体するしかないものです。その建設資金は、巨大な借金として、国民が返してゆく外ないのです。
 不良債権を解消するのに、これだけでも最低で10年、20年30年はかかるでしょう。現在行われて対策は、国営企業、大企業中心の対策です。一般庶民や民間企業は後回しです。
 この秋、やっと大規模な景気浮揚策が発表されました。巨大な市販の計座絵の投資です。さりとて、V字回復する様子はありません。庶民は生活防衛に、益々財布の紐固く結んで、必要なもの以外を買わなくなっているからです。
 
 習近平共産党とは共産党支配を脅かすものに、殊更神経質です。愚民政策、ITによる監視社会の徹底です。これでは庶民は財布のひもを緩めるわけにはゆきません。
 恐らく、これではどんな対策をしても、景気浮揚は望めないでしょう。やらなければ益々景気は落ち込みますが、一定程度悪化を食い止めるのが精一杯でしょう。
 
 2025年、中国経済はどうなりますか。トランプ大統領は、名指して中国製品に高関税を明言しています。EUや日本などの自由主義国も、それに追従するでしょう。経済力をつけて来た途上国、グローバルサウスとの貿易といっても、限定的です。今後の中国経済は、ジワジワとデフレに落ち込んでゆくしかないでようね。
 
富士山傘雲の夕焼け FBより借用 
 PS
 デフレ経済からの脱出には民間活力よるしか方策はないと思うのですがね。習近平はそう思っていない。現体制を維持したまま、国営企業、大企業の経済力で可能と思い込んでいます。
 中国は巨大経済の国なんです。輸出で不動産のの損失を解消すれば、大きな問題を引き起こします。中国製品が世界の経済を安売り競争に導いてしまうからです。アメリカをはじめとした先進国が警戒するのはそのためです。途上国も安い中国製品は自国の産業の成長を疎外しますので、受け入れられないのです。
 中国は自国で作った不良債権は自国で処理するしかないのです。そのためには、民間活力に頼るしかないのです。民間が持っている多様な考え、発想による新たな産業の育成です。しかし、その多様性こそ、共産党支配のイデオロギーと抹消面から対立するわけです。結局、共産党体制そのものを放棄するしかないと思います。八方塞がりの習近平ですね。
 
 
 物価高
 最近は外国旅行していないので、円安の実感はありませんが、物価高は困ります。日用品が一割ところではなく、二割三割と上がっているので、驚くばかりです。一番困るのは野菜が高いことです。野菜は僕にとり必需品です。最近は二つ割四つ割りしたものを買っています。
 
 円安は長いデフレ経済の結果ですですね。輸入品が値上がりし、特にガソリン価格の値上がりは大きく、他のもの全てに影響与えて、物の値段を押し上げています。
 2025年どうなりますか!インフレ傾向、物価高は続きそうですね。困った困った。
 

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