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性 善 説 


 日本人は見知らぬ外国人も、根は良い人だと無意識のうちに思っている。訪日する外国人に、親切であり喜ばれている。「国土草木悉皆仏成」と言う思想は、伝統的な神道の性善説を、和製仏教用語で表したものです。人間以外の動植物まで広げ、仏陀の思想を拡大解釈した、日本にしかない思想です。ここから法然も親鸞も生まれた。
 いざ大陸に目をやると、そんな流暢ことはいっていられない。常に異民族との葛藤があり、性悪説ならざるを得ないのです。

 縄文時代から、大陸だけではなく、南方や北から渡来人がやって来た。幸い日本は海に囲まれ、何万、何十万人の民族は入ってこなかった。多くて千二千人のだけの集団でしょう。彼等は地方小王國を作ることはできず、日本に同化するしかなかった。海のおかげで、民族間の対立を回避出来たのです。そして、技術や文化は、しっかりと伝授出来たのです。
物理的な相互の葛藤が少なければ、相手を警戒する必要はない。故に伝統的な、性善説は守られたのです。

 武士の時代が長く続き、様々な武装勢力がたたかいにあけくれましたが、宗教や言語の大きな違いはなかったのです。異民族との戦いとは、違い、基本的な生活習慣は、温存されたのです。
2025.3.28. Mamoru Muto
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