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庭劇場「能書き集」
2009年
身体その極みで絶望を 飛ぶ
7月7日~11日
未まだない存在を、と念頭すれば幽霊は既視感がある。真夏の夜の物語だけでなく、堂々白昼の俄か雨も、愉快な幽霊の一変種ではなかろうか。
俄か雨に射たれて遠方での記憶が甦えって、椿の花のようにポタリと土の上に落ちる、 そわ団子が虚か、貫く串が虚か。
見えない串に接する団子のど真ん中で、くもんの囁と歓喜の響きが合唱する。大凧が風を孕ます構造ゆえに、風に浚われ空中に遊びまた失速するように、団子を貫く見えない串に、万人の宿命がかくされている。
わたしの怒りは、小さく遠方にあるがときにこの庭劇場の上空に雷が飛来し、ズドンと墜落し私を貫通する痺れと痛みは、格別だが稲妻は寛大な無関心で走り去り、おそらく火山の真下へ、蜜蜂の巣のように甘露となって吸収されるのだろう。
しんたいをはずれたらなにも成立しない。
身体は休止する清さがある観念は、そうはいかないだろうなぁ。
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