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8月の庭劇場
『 夏の世や庭劇場の土の色 』
23日(水)~ 25日(金)
24日(休演)
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庭の土の上に、蝉の死骸がある。その死骸に二ミリほどの蟻が群がっている。地面にはこの夏、羽化するために這い出た坑道の孔が幾つか点在している。鮭は産まれた川に戻る。蝉だってそうかもしれない。
土は不思議だ。穴に種子をまく。種子は土から養分をもらい変容し、成長し、やがて植えた人に収穫をもたらさんと実る。
それだけではない、かっては「お袋が土の下で云々」という言い方があった。土は生きている者に死者の声を届けている。
昨年の真夏。富士山の麓の森で半日、蝉の声を聞いていた。森の蝉にはそのおのおの、エリアに指揮者格の蝉がいて、他のエリアとの塩梅を図り、タクトを振っているよるに思えた。
それにしても、昨年の夏はどこにいったのろうか。またこの夏とどんな繋がりがあるのだろうか。こころを澄ませば、土の下の声は月夜にほてって甲高く、きっときっと聞こえている。
首くくり栲象
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